看護師の感情労働を考える

看護師は感情をコントロールして抑制し、患者の気持ちに寄り添った看護おこないます。これを感情労働と言い、感情が疲れてしまい看護師がストレスに感じる要因になっていることがあります。しかし、ネガティブな部分だけではありません。患者が看護師の配慮により元気づけられ治療に前向きに取り組む姿勢を見せるようになったり、患者や家族などから感謝されることがあります。それをやりがいに感じる人もいます。このように感情労働は一方から見るとストレスになるものではありますが、一方で看護師にとってやりがいというポジティブな気持ちを与えてくれるものでもあります。クラウドソーシングサービスであるランサーズでの看護師を対象とした調べによると、適職であるため感情労働がつらいと思ったことがないという回答が25%ありました。ストレスに感じる時は自分の感情を抑制して明るく笑顔で接するため、内面の感情と外側の感情に差がある時ほどストレスを感じます。患者の治療がうまく進んでいなくても、患者を不安な気持ちにさせないために明るく励ますこともあるでしょう。また、患者が亡くなってしまっても次の治療に入る時には、笑顔で患者の対応をしなくてはいけません。看護師である限りそのような場面に接する機会もあるかと思いますが、急性期病棟や救急救命センターなどでは、その頻度が高くなります。看護師には感情労働という面があることを理解し、切り替えがうまくできない人は配属先を決める時に、この面も考慮すると良いでしょう。